防風通聖散の副作用の種類

防風通聖散の副作用の種類や原因とは?

 

防風通聖散は漢方の一種で、厚生労働省の認可を受け第二類医薬品として販売されています。肥満症や便秘、むくみなどに効果があり、メタボ・ダイエット対策としてよく利用されています。

 

ただ、あくまで医薬品なので、服用時に副作用が出るケースもあります。ここでは、防風通聖散を服用するうえで気になる

 

  1. 副作用の種類
  2. なぜ副作用が出るのか?
  3. 防風通聖散が向いている人、いない人

 

これらの3点について徹底解説していきます。少し長い記事ですが、お付き合いください。

 

 

防風通聖散にはどんな種類の副作用がある?

 

ツムラの防風通聖散(62番)の添付文書(説明書のようなもの)によると、副作用の種類は以下の記載があります。

 

種別 症状
消化器 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢など
自律神経系 不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮など
過敏症 発疹、蕁麻疹、かゆみなど
泌尿器 排尿障害など

参考ページ:防風通聖散添付文書

 

副作用症状で一番よく聞かれるのが「消化器系の副作用」で、食欲がなくなる、お腹が気持ち悪くなる、吐き気が出る、下痢になるといった症状が現れやすくなっています。

 

また、自律神経系の症状も見られ、眠れない、動悸が出る、力が入らないといった症状を訴えるケースもあるようです。

 

どうしてこのような症状が出るのかを、以下で解説していきます。

 

副作用が出る確率はどのくらい?

 

医薬品によっては、臨床試験によって副作用の確率のデータが出されていることがあります。しかし、防風通聖散の場合は使用成績調査などをしていないので、はっきりした副作用確率はわかっていません。

 

防風通聖散は第二類医薬品なので、他の第二類医薬品の副作用確率は参考にはなります。

 

医薬品名

副作用確率

イブプロフェン(イブ、ナロンエースなど)

3.04%

フェキソフェナジン(アレグラEXなど)

8.2%

ピレンゼピン(ガストール錠など)

2.47%

 

↑はいずれも第二類医薬品として市販されているものの副作用確率となりますが、おおむね2~8%程度となっています。そのため、防風通聖散も同程度の副作用率と考えてよいでしょう。

 

なお、防風通聖散には向き・不向きがあり、体の状態によって副作用の出やすさも変わってきます。

 

 

 

 

消化器・自律神経系の副作用の原因

 

副作用の症状として最も多いのが「消化器系症状」「自律神経系症状」です。これら症状の原因はさまざまですが、中でも一番多いのが「効果の出過ぎ」となります。

 

詳しく説明するためには、まず「漢方の考え方」を解説する必要があるので、軽く触れますね。

 

 

漢方では、その人を「陽」「陰」という2つの状態で判断します。↑がそれぞれのざっくりとした特徴となります。「陽」の状態の人は暑がりで体温が高く、冷たい飲み物ばかり飲みたくなる傾向があります。一方、「陰」の人は寒がりで、温かい飲み物を好みます。

 

パッと見、「陽の方がいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、例えば風邪を引いて体温が上がっている状態は「陽」となるので、一概に陽の方がいいとは言えず、バランスを取っていくことが最も重視されます。

 

 

そして次に、「実」「虚」という考え方もあります。おおまかな分類は↑のとおりで、太り気味で体力があり、便秘体質の人が「実」、逆にほっそり体型で下痢傾向、体力があまりない人が「虚」と判断されます。

 

こちらも、「実の方がいいのでは」という感想が浮かびそうですが、「実」の状態が進みすぎると頑固な便秘やメタボ・高血圧などのリスクが出てくるため、一概に「実」だからよいということにはなりません。

 

そしてここが大切なところですが、防風通聖散は「陽」「実」を対策する漢方となります。

 

 

「陽・実」は簡単にいうと「体型がっちり」「便秘」なので、それを「陰・虚」に寄せることで、減量・便秘対策ができるということになるのです。

 

肥満症の人の特徴を考えて見てほしいのですが、体温が高くて暑がり、冷たい飲み物が好きで、脈が強く、便秘やすい人が多いはずです。実はこれは、漢方でいえば「陽」「実」の状態なのです。

 

防風通聖散は「陽」「実」の状態に効果を発揮します。つまり、「陰」「虚」の状態に近づけてくれる効果があるということなのです。

 

ところが、防風通聖散がの効果が出過ぎると、「陰」「虚」の方によりすぎてしまうのです。

 

種別 症状
消化器 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢など
自律神経系 不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮など

 

↑は防風通聖散の消化器系の副作用ですが、「陰」「虚」の特徴が良く出ていることがわかると思います。まず下痢気味になり、体力が落ちて不眠になったり、胃腸の機能が落ちて食欲不振、腹痛・吐き気と言ったことが起こるわけです。

 

また、脈が弱くなって動悸が起こったり、力が入らないといったこともありえます。

 

そのため、もともと細めで体力がなく、下痢気味の人は、防風通聖散を服用すると消化器・自律神経系の副作用が出やすいということになるので注意が必要です。

 

過敏症の副作用の原因

 

防風通聖散の副作用の症状の多くは、「陰」「虚」によりすぎてしまったことが原因です。ただ、他にも「過敏症」の症状があり、これは「陰」「虚」とは無関係です。

 

種別 症状
過敏症 発疹、蕁麻疹、かゆみなど

 

主な過敏症の症状は↑のとおりで、発疹・蕁麻疹や、それにともなうかゆみなどです。発症する確率はかなり低いですが、もし症状が出たときは注意が必要です。

 

過敏症の原因は、防風通聖散の成分に体の免疫機能が過剰反応してしまうことにあります。防風通聖散だけでなく、どんな医薬品でも(風邪薬やビタミンサプリでも)過敏症は起こる可能性があります。なので、平たく言うと「相性が合わない」ということなり、もし発症してしまった場合は運が悪かったと言わざるをえません。

 

また、医薬品を服用して過敏症が出た場合、今後その医薬品を服用するのは禁忌となります。1回目より、2回目の過敏症の方が症状が重くなる傾向があるからです。もし防風通聖散を服用して、かゆみ・発疹といった症状が出るようなら、速やかに服用は中止しましょう。

 

泌尿器系の副作用の原因

 

種別 症状
泌尿器 排尿障害など

 

「排尿障害」などの非尿器系副作用症状もあります。

 

この症状のからくりはそれほど難しくはありません。もともと、防風通聖散には「むくみ」に対する効果がありますが、それは利尿作用を高めて水分を排出し、体内の水分を少なくするためです。なので、もともと利尿作用の強い人が服用した場合、頻尿になりやすくなる可能性はあります。

 

肥満症であっても、尿の頻度については平均程度の人もいるでしょう。その場合、頻尿になる可能性がある点は考慮しておきましょう。

 

防風通聖散で重大な副作用について

 

確率としては非常にまれですが、「重大な副作用」が現れる可能性もあります。種類と症状について解説しますので、万が一に備えて覚えておきましょう。

 

▼間質性肺炎

肺にある肺胞(呼吸に使う袋状の構造)の壁を「間質」といい、そこが炎症を起こすのが間質性肺炎です。症状としては「発熱、せき、呼吸困難、肺音の異常」などがあらわれた場合には間質性肺炎の疑いがあるので、すぐに服用を注視して病院の診察を受けること。

 

「発熱」「せき」「呼吸が苦しい」といった症状が合ったときは注意すべきなので、あらかじめ覚えておきましょう。

▼偽アルドステロン症

副腎皮質ホルモンの「アルデステロン」が、実際にはそれほど分泌されていないのに、過剰に分泌されていると体が誤認してさまざまな症状を起こしてしまうものになります。「血圧上昇」「むくみ」「水分をためこんだ体重増加」などが起こるので、まずは診察を受けて、異常があった場合は防風通聖散の服用は中止することになります。

▼ミオパチー

「ミオ(筋肉)」と「パチー(病気)」を合わせて、筋肉の疾患の総称。強い脱力感やけいれん、まひなどが起こる場合は、まず診察を受けること。異常が認められる場合は、服用の中止が必要となります。

▼肝機能障害・黄疸

たいていの医薬品は肝臓で代謝・排泄されますが、それは防風通聖散も一緒です。そのため、服用するたびに多少なりとも肝臓への負担がかかることになります。

 

そして、体質が合わなかったり、お酒の飲みすぎや肝臓障害などでもともと肝臓に負担がかかっていた場合、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPなどの数値が上昇して黄疸などが現れることがあるので診察を受けるようにしましょう。明らかに防風通聖散が原因で肝機能が落ち込んでいる場合は、服用を中止することになります。

 

いずれの場合も、異常がある場合は防風通聖散の服用は中止となります。個人での判断は難しいので、兆候となる症状が現れているようなら医師の診察を受けるようにしましょう。

 

防風通聖散はどんな人に向いてる?(まとめ)

 

防風通聖散には、

 

  1. 消化器系 …吐き気・下痢など
  2. 自律神経系 …不眠、脱力感など
  3. 過敏症 …発疹、かゆみなど
  4. 泌尿器 …排尿障害など

 

↑のような副作用症状が認められています。

 

このうち、「消化器系」「自律神経系」については、もともとの体の状態が「虚」「実」の人が発症しやすくなります。なぜなら、防風通聖散は「陽」「実」の体の状態を、「虚」「実」に引き寄せる漢方だからです。もともと「虚」「実」の人だと、寄りすぎてしまうのです。

 

向いている人 太り気味、暑がり、便秘しがち
不向きな人 やせ気味、寒がり、下痢しがち

 

なので、防風通聖散が向いている人、不向きな人は↑のとおりになります。向いている人は、防風通聖散の肥満症への効果を最大限に受け取ることができ、なおかつ副作用も出にくくなるでしょう。一方、もともとやせ気味で体力がなく、下痢しがちな人は、副作用が出やすくなるのです。

 

なお、過敏症については【陽】【実】などは関係なく、発症するかどうかは体質次第となるので、向いている人でも運がわるければ過敏症が出る可能性はゼロではありません。もし過敏症を発症した際は今後は禁忌となるので、すみやかに服用は中止しましょう。

 

このように、防風通聖散はあくまでも医薬品のため、副作用があるのは事実です。

 

しかし、肥満症・便秘など多くの症状に効果があるのも事実です。肥満やメタボの解決にもつながるものなので、有効に活用することが大切です。

 

→防風通聖散【効果解説!各メーカーの違いも比較】

 

防風通聖散の効果や、各メーカーの比較については↑で徹底紹介しているので、一度ご覧ください。